学習療法について

学習療法とは?

学習療法は、読み書き計算、コミュニケーションにより脳の活性化を促し、認知症の予防・改善をはかるプログラムです。
子供たちの「学力をつけるための勉強」とは根本的に異なり、頭の健康を維持するためのいわば音読と簡単な計算による「頭の体操」です。
高齢の方々が楽しく学習し、効果が出るように教材や学習法が工夫されています。

音読や簡単な計算、コミュニケーションが脳(前頭前野)を活性化します

加齢にともない脳の働きが衰え、それが重度になった状態が認知症。それによって引き起こされる認知障害、コミュニケーション障害、身辺自立の低下などが社会生活で問題となります。その症状のほとんどは、頭のおでこ部分にある脳の前頭前野の機能にあるものと、学習療法を提唱した東北大学の川島隆太教授は考えました。脳機能を調べる研究の結果、次のことがわかりました。
~音読や簡単な計算が前頭前野を活性化させ、脳機能を向上させます~
簡単な計算をしているとき、音読しているとき、コミュニケーションしているとき、そして褒められているときに脳の血流が増し、脳機能が活性化します。学習療法は2001年、国の助成を受けた研究プロジェクトとして研究を開始し、認知症の予防だけでなく、維持・改善にも極めて高い効果があることが実証されています。

現在、全国1600の介護施設だけでなく、アメリカでも行われています。その様子は「僕がジョンと呼ばれるまで」という映画にもなりました。
また、非薬物療法なので薬のように副作用の心配がなく、どなたでも安心して学習療法に取り組むことができます。
学習療法は、高齢者の笑顔と尊厳を大切に、できたことを褒めることで「自信、意欲、誇り」を引き出せるように努めています。人は歳を重ねるにつれ、これまでできていたことができなくなってきて、自信や意欲を失い、不安な気持ちに陥りがちです。出来ない事を指摘しない、不安にさせないことが認知症を患った方への対応の基本です。学習療法は「できる喜び」を大切にします。

「実践士」の資格者のみが行います

学習療法は一人のスタッフ(学習療法実践士)が、二人の学習者と対面して約20分の時間で行うのが基本です。学習療法を行うのは「学習療法実践士」の資格を持った施設職員に限定されます。理論と技術をマスターした「学習療法実践士」が正しい方法で行うことで効果が高まります。

笑顔で楽しいコミュニケーション

学習者が笑顔で楽しく学習できるように、スタッフはできたことを認めて褒めることを心掛けて行います。これが、高齢者の「自信、意欲、誇り」を引き出す「スイッチ」となります。人は他の人から褒められたり、認められた声がけをされると一瞬で脳が活性化することが分かっています。

認知症予防には
「脳の健康教室」へ!

「脳の健康教室」は、地域のシニア世代のための「脳の健康づくり」を行う教室です。この教室を通じて受講者の脳の健康づくり(認知症予防)を図るとともに、受講者や教室サポーターの方々が仲間をつくり、社会とのつながりを深め、地域のコミュニティづくりへの貢献をめざしています。物忘れが気になる元気高齢者のみなさん、介護認定を受けていなくても「脳の健康教室」でいつまでも柔軟で活き活きとした脳機能を維持していけるように今から活動していきませんか?

毎週日曜日
けやきのフロアにて開催中

我々は元気シニアのための「大人の部活」と、そう捉えています。教材を使った脳の活性化を目的としていますが、それだけにとどまらず、脳の健康教室の後にはカフェの日があったり、体操教室やそば打ち、口腔ケア教室、大きな児童書を使用し紙芝居のように音読をするなど、「部活」に行く日が楽しみになるようなさまざまな活動を行っています。週に一度、脳の活性化と地域での仲間作りにあなたも是非参加してみませんか?お問合せはけやきデイサービスセンター
(担当田中)まで直接お電話ください。TEL 072-230-1128